個人投資家が保有する上場株式の時価総額が過去最高水準に

先週末、午前のFP協会事務所での無料相談会を終え、次の要件まで時間が空いたので、久しぶりに以前お世話になった会社に顔を出してみました。

懐かしい顔を眺めながら、ひとしきり世間話。その後、株式の話題もでたので、どの程度の人が株式投資をしているのか聞いてみました。

話の感じでは、4割程度の人が、何らかの形で株式投資をされている様子。私がお世話になっていたのが5年前。当時、耳にした情報の範囲内では、私を含め1割程度の方が株式投資をされていたと記憶しています。

5年前の時点で、「これから投資を始める人、再開する人は増えるだろう」と予想はしていましたが、これほどのハイペースで増えているとは・・。ちょっとしたサプライズでした。

以下は、MSNニュース「毎日新聞2005.12.1付」の記事より抜粋したものです。

金融広報中央委員会(事務局・日本銀行)がまとめた05年の「家計金融資産調査」では、株を保有する世帯の割合が20・6%と前年(14・7%)を大きく上回った。既存の個人投資家が保有株を追加しただけでなく、株式投資を新たに始める世帯の増加が、今回の家計の残高増につながったことをうかがわせている。

個人投資家が保有する上場株式の時価総額が過去最高水準に達したことが第一生命経済研究所の試算で分かった。28日に、総額約108兆円となり、90年3月末の記録(約107兆6000億円)を更新。30日はいったん約107兆円まで下がったが、株価上昇とインターネット取引の普及を背景に、バブル期並みの高い保有水準が続いており、これがさらに株価の上昇を支える構図になっている。

1990年代に崩壊したバブル期にも、その後のITバブル期にも、債権・預貯金から株式・投資信託などのリスク性商品へのシフトがあり、新たな投資資金が市場へ流れ込みました。

実体経済の景気回復サイクルのなかでは、「企業業績回復→株高→個人消費増→企業業績回復」という循環と共に、株価も上昇を続けます。しかし、いつしかそのサイクルとは無関係に大量の資金が流入し始めます。企業の価値に見合わない価格が形成され始め、株価だけが高騰してしまいます。

例えば、

?「現金100万円が、現金50万円で手に入ります。買いますか?」

?「現金100万円が、現金100万円で手に入ります。買いますか?」

?「現金100万円が、現金200万円で手に入ります。買いますか?」

という選択肢を提示された場合、どれを選択しますか?なかなか?、?を選択する方はいないと思います。

しかし、バブル期に株価の動向だけに心を奪われていたいた人は、実態経済価値に関係なく市場に資金を投入しました。この行動を上の例で言い換えると、現金100万円を手にするために、200万円だろうが、1,000万円だろうがかまわず買いに行ったわけです。

理由は、「だってもっと高く売れるから」。
あるいは、「その価格が安いのか高いのかワカラナイから」
といったところでしょうか。

(実際には、「企業の成長=企業価値増加」というファクターも存在しますが、バブル期のように「価値」と「価格」の剥離が起こっていると、その影響は軽微でしょう。)

結果的にバブルは崩壊し、「力のない者→力のある者」「資金力のない者→資金力のある者」「金融知識のない者→金融知識のある者」(キリがないですね。)へと、資産が移動したわけです。

今回の景気回復局面では、これまでの投資経験者に加え投資未経験者が市場参加したことで、さらに裾野が広がりつつあります。また、今後「団塊の世代」の一斉退職を機に、大量の資金が市場に流れ込むことも予想されます。

今の景気回復が、過去のバブル期のように実態経済価値から剥離した状況だという訳ではありません。また、今後そのような状況になると予言する訳でもありません。

しかし、過去のバブル崩壊の時のように、需給のバランスが崩れ、実体経済価値に関係なく、市場に資金が流入する事だけで株価が押し上げられるような状況になれば・・・「歴史は繰り返す」とならない事を祈ります。

2005.12.14

Related posts

タグ: , , ,

コメントをどうぞ