The Crisis of Global Capitalism?Becker
ゲーリー・ベッカー
印象に残ったのは、
1.これまでもさんざん資本主義の崩壊は叫ばれてきたが、いまだそういう事にはなっていないし、資本主義は再び成長路線に戻る。
2.政府は先進的な金融商品や空売りを金融危機の犯人としてマーケットから締め出そうとしているが、それぞれ利点もあるし、むしろ完全に締め出すとパニックに繋がる。
の2点です。
先週の日曜日にメリルリンチはバンカメに買収されることを承認し、月曜日にリーマンブラザーズが米歴史上最大の破綻をし、火曜日にはAIGが政府に部分的に買収された。金融市場の安定の代償として、こうした動きは水及び木曜日に短期資本の完全なる破壊を早めることに繋がった。
お金を借りることを実質的に不可能にし、コストは急上昇した。Libor、ロンドンインターバンク、レンディングレートは急上昇した。世界中の銀行は金を貸したくない。米短期国債のレートそして日本の短期金利は、絶望した投資家が安全の為に短期国債を求めた結果、しばらくの間低下した。
財務省は預金保険限度額10万ドルの制限なしに、MMFに預金保険を拡大した。Fedも投資銀行と商業銀行へのローンの担保として、低格付けのコマーシャルペーパーを取得し、財務省はファニーメイとフレディマックがMBSを購入し続けることを促進した。
これは「グローバル資本主義の危機」の終わりか
(ジョージソロスがアジア金融危機(1997-98?)のすぐ後に書いた本のタイトルを借りた。)
19世紀の中頃にKarl Marxが資本主義の崩壊を予言して以来ずっと、すべての大きなリセッションや金融危機が起こるたびに、資本主義が崩壊すると言われてきた。
私がこの金融危機の深刻さをかなり見くびっていたことは認めるが、かなり大きな世界経済成長が主に資本主義の世界経済のもと再開すると確信している。
よく考えてみると例えば、1990年代のアジア通貨危機の後、ソロスと他の人々がグローバル資本主義の崩壊の予言してから10年間、世界GDPと世界貿易は前例のないほどの成長を経験した。南朝鮮経済は危機の間叩かれたが、それから今までにかなりの経済成長を果たした。
我々は一度深刻な経済危機を乗り越えたのだから、強い世界経済の成長が再開すると予想する。
(中略)というより、面倒になりましたので以下抜粋です。
政府の空売り規制は、深刻な問題を発生させる。多くのヘッジファンドは空売りによってその他のリスクをヘッジしている。それらの禁止はその他のマーケットに大いなるパニックを引き起こす。
ここでいうパニックには、例えばこんなことが該当するのでしょうか?
以下はAPの2008/9/22の記事の抜粋です。
Oil prices make biggest single-day price jump ever on bailout unease, contract expiration
Light, sweet crude for October delivery jumped as much as $25.45 to $130 a barrel on the New York Mercantile Exchange before falling back to settle at $120.92, up $16.37.
10月限の契約期限日の通常取引時間のラスト一時間にトレーダーの猛烈なショートポジションカバーがあり、急激な価格上昇につながったようです。
金、その他のコモディティもラリーしています。
政府による金融危機に対する提案、銀行が保有する劣化した住宅関連証券の引受によるドルの弱体化、救済策自体の曖昧さによる株式市場からの資金の逃避とコモディティ市場への流入、さらに空売り規制が原因として挙げられています。
完全に排除しても逆に自由化しても異常な価格形成に繋がると思います。
使い方というかバランスというか、結局はモラルの問題かもしれません。
ベッカー教授のブログに戻って、
アメリカの失業率は1931年から1941年まで10年のほとんど期間で約25%に達し、GDPは激減した。他の国も同じような大きさの経済困難を経験した。この危機におけるアメリカのGDPは遠く及ばす実質的にはまだ下がっていない。また失業率は6.2%に達しただけ。二つの数字はさらに悪くなると思われるが、1930年代の数字には到達しないだろう。
1930年代、いわゆる世界恐慌に匹敵する金融危機だという事がメディアでもささやかれていますが、少なくとも雇用とGDPに関してはそこまで悪くは無いという事のようです。今のところは・・・。